マーケティング・オートメーション・スペシャリストに求められる5つのスキル
マーケティング・オートメーション・プラットフォーム(MAP)が普及するとともにMAPを扱うスペシャリストのニーズが高まっています。
この記事では、そのマーケティング・オートメーション・プロフェッショナルに必要な5つのスキルをピックアップしました。MAPを扱う担当者を雇用する際、または外注する場合の参考にできます。
「マーケティング・オートメーション・プロフェッショナルが担当する3つのエリア」
1)マーケティング・テクノロジー・ツール:
MAPや他のマーテック・ツールと連携した複雑なコミュニケーションを企画し実行する。
2)データ:
各種コミュニケーション施策から取得したデータを継続して利用できる状態に管理する。
3)分析:
KPIなどのパフォーマンス指標をトラッキングし、マーケティングとビジネスの意思決定者へ正しい決断ができるインサイトを提供する。
上記の役割を担うプロフェッショナルを探すとすると、ついIT系に強い人材やデータ分析系の経験者を探す傾向が強くなりますが、そこは十分な注意が必要です。上記の役割を担うマーケティング・オートメーション・プロフェッショナルに不可欠なスキルを下記に5つリストアップしました。
1)マーケティング・コミュニケーションの知識:
IT畑で働いてきた人の中にマーケティング経験のある人の割合はどのくらいでしょうか?
マーケティング・オートメーション・プロフェッショナルは、常にビジネス上の成果を求められ、優れたブランド体験を顧客へ提供する必要があります。またマーケティング・キャンペーンのアイデアを視覚化してテクニカルな実行施策に変換する役割を担うだけでなく、成果を達成するためにマーケティングの目標と背景を理解する必要があります。
2)マーケティングの自動化プロセスとワークフローの知識:
マーケティングの自動化は、すべてワークフローに関するものです。マーケティング・オートメーション・プロフェッショナルは、自動化されたキャンペーンを実行(開発、展開、管理、追跡、測定)するための機能的および技術的要件を定義し文書化する必要があります。また、リード認定、リードスコアリング、リード精査、リード割り当て、トリガーベースのワークフローなどの複雑なプロセス用のワークフローおよびSLAを管理できる必要があります。そして、優れたマーケティング・オートメーション・プロフェッショナルは、カスタマー・ジャーニーのどの時点でもシームレスなCXを提供するためのマーケティング知識が必要になります。
3)プロジェクトとステークホルダーの管理:
複数のマーケティングマネージャが同時に複数のオムニチャネルキャンペーンを実行する必要があるため、規模を問わず、マーケティング・オートメーション・プロフェッショナルは、多忙になります。彼らは日々の運用スケジュールを定義し、カスタマー・ジャーニー上で複雑なプロジェクトを計画・実行し、そして成功させることが期待されます。これにはマーケティングの自動化が必要ですが、社内の利害関係者、特にマーケティングチームと営業部門の連携を確実にするためには、高いコミュニケーション力とプロジェクト管理能力が求められます。
4)データ分析とインサイト発掘:
自動化されたプログラム・パフォーマンスの追跡、インサイトの発掘、そしてキャンペーンオーナーへの最適化プランの提案は、マーケティング施策のパフォーマンスを向上させるためのものです。マーケティング・オートメーション・プロフェッショナルは、キャンペーンを最適化し続けるためにリアルタイムのユーザー・インサイトを活用することが期待されます。そのため、担当者はデータ分析とインサイトを発掘する手法を理解している必要があります
5)モダンマーケティングの新たなスキル:
データ統合:CDP(Customer Data Platform)からタグ管理に至るまで、統一された顧客IDは今とてもホットなトピックです。 マーケティング・オートメーション・プロフェッショナルは、統一された顧客の行動データから形成される「統一されたデータ」のユーザーであり、戦略的なアドバンデージをとるためにそれを活用できなければなりません。
アトリビューション:複数の顧客との接触点からアトリビューションを追跡して測定することで、何が機能しているのかを把握できることにより、マーケティング施策のROIが最適化されます。マーケティング・オートメーション・プロフェッショナルは、その最適化プロセスを十分に理解していることが求められます。
コンプライアンス:GDPRなどのユーザーデータの取り扱い規則の遵守は必須です。優れたマーケティング・オートメーション・プロフェッショナルは、データ侵害についてのリスクや適切なセキュリティの必要性を認識し、情報保護のための対策を講じる知識を必要とされます。
いかがでしょうか?
思いのほか、マーケティング・オートメーション・プロフェッショナルに求められるスキルの幅が広いことにお気づきでしょう。これらのスキルを持つプロフェッショナルを探す場合、米国では年俸700万円〜1,300万円が相場と言われてます。外部の専門家へアウトソースするかを検討する際に参考にしていただけると幸いです。